CASE
木は伐採されてからも生き続けています。世界最古の木造建築「法隆寺」は築1300年以上経っていますが、ヒノキの柱にカンナをかけると、いまだに新鮮な木の香りがするそうですね。今回はまだ生き続けている古材を使った「板倉造り」の二世帯住宅の事例です。
今回のお家には築80年の旧宅の古材を各所に再利用しています。古材の再利用には、材を見極める目と、それを新しい建物に活かすための高度な技術が必要とされます。
時を超えて家族の想いを受け継ぐ貴重な古材が、いっそう味わい深い空間を創出しました。重厚感があります。強度も全く問題ありません。樹齢100年のヒノキは伐採されてから100年後に強度が頂点に達するという研究報告もあるくらいで、むしろ強度は増しているのです。
1階は親世帯、2階は子世帯のスペースで、1階の玄関のみを共有しそれぞれにLDKと水回りを設けました。1階の床には圧熱加工を施して木目を浮き立たせた杉板を使用、2階の床にはナチュラルな杉板を使用。
1・2階とも、伐採ツアーでご家族が選んだ、杉の大黒丸太柱がシンボル。
和室にもアクセントとして古材を使用。
木材に囲まれた小屋裏は大容量の収納が可能。
板倉造りならではの、杉板張りの壁を室内のアクセントに生かし、木の風合いが心地良い住まいを実現しました。