【古民家再生】木の力で家を包む。呼吸する「木質断熱材」がもたらす清涼な空気
前回のブログでは、築110年の古民家から受け継いだ松の梁が、新しく清々しい空間に美しく溶け込む施工実例をご紹介しました。
丸太梁の圧倒的な風格や、サクラの床板・漆喰の壁が生み出す洗練されたデザイン。これらは目に見える素晴らしさですが、私たちがそれと同じくらい、いえ、それ以上に情熱を注いでいるのが「目に見えなくなる部分の性能」です。
開放的な大空間や、ダイナミックな勾配天井をつくっても、エアコン1台で年中じんわりと心地よい温度が保てる理由。
それは、お家をすっぽりと包み込む、特別な「壁の内部」にあります。 今回は、村木建築工房が標準仕様として採用している、一風変わった高性能な断熱材のお話をお届けします。

一般的に、現代の住宅で使われる断熱材は、ガラス繊維(グラスウール)やプラスチック素材(発泡ウレタンなど)で作られた工業製品が大半を占めています。
しかし、天然の無垢材をふんだんに使い、漆喰の壁が息づく私たちの家づくりにおいて、家の「骨組み」や「仕上げ」だけでなく、「断熱材」まで本物の木にこだわることはできないだろうか――。
そうして行き着いたのが、ドイツ製の木質断熱材「シュタイコ」です。
シュタイコは、木材を細かく繊維状に解きほぐし、再び高密度に固めて作られた、文字通り「木から生まれた断熱材」です。
科学物質を多用して熱を遮断するのではなく、木が本来持っている自然の断熱性能を最大限に引き出したこの建材は、私たちの住まいに驚くほどの快適さをもたらしてくれます。
木質断熱材シュタイコが発揮する最大の強みは、一般的な断熱材を遥かに凌ぐ「熱を溜め込む力(蓄熱性能)」にあります。
- 夏の暑さを室内に入れない「時間差の魔法」: ギラギラと照りつける夏の太陽光は、屋根や外壁を猛烈に熱します。軽い断熱材だと数時間で室内に熱が通ってしまいますが、高密度なシュタイコは、その熱をぐっと内部に吸収し、室内に通すのを約十数時間も遅らせてくれます。つまり、一番暑い日中の熱が室内に届く頃には、外はもう涼しい夜。エアコンへの負荷を最小限に抑え、涼しく健やかな夏を叶えます。
- カビや結露を防ぐ「家全体の呼吸」: 浜松のジメジメとした梅雨や夏の湿気は、住まいの大敵です。木から生まれたシュタイコは、漆喰の壁と同じように、周囲の湿度に合わせて湿気を吸ったり吐いたりする「調湿性能」を持っています。これにより、壁の内部に湿気が溜まってカビが発生したり、木組みを腐らせたりする「内部結露」を根本から解消。大切な構造を、100年先まで健やかに守り続けます。

工業製品の断熱材で密閉された家は、時に空気がこもりがちになります。しかし、壁のなかの断熱材まで「呼吸する木」で統一された私たちの現場は、工事の最中から驚くほど空気が澄んでいます。

どれほど優れた断熱材であっても、柱との間にわずかな隙間があれば、そこから熱も湿気も逃げてしまいます。真っ直ぐではない古材の歪みや、無垢の柱の特性を熟知した職人が、その手仕事の手加減によって1ミリの隙間もなくピタリとシュタイコを収めていく。
この職人の誠実な施工が掛け合わさって初めて、化学物質の匂いがしない、天竜の森にいるかのような「清涼な空気感」が室内に満たされるのです。
「一歩足を踏み入れると、エアコンに頼りきっていない自然な涼しさ(温かさ)がある。そして、空気が驚くほど軽い。」
お施主様ご家族がこれから毎日触れる、この心地よさの正体は、大工が壁の向こう側にそっと仕込んだ「木の魔法」なのです。
現場の工事は、この確かな断熱の壁に守られながら、いよいよ美しい無垢の床や左官の仕上げ工程へと移っていきます。

メルマガ登録
写真を見るだけでは、家の性能を謳うだけでは伝えきれない、そんな私たちの家づくりへのこだわりや想い、また暮らしへの考え方をメルマガを通してお伝えしています。
家づくりや住宅会社選びで役立つ情報はもちろん、代表村木がどんな想いでこれまで家づくりを行って来たのか、そんな家づくりへの想いを、メルマガを通じて発信しています。
登録は無料です。HPでは伝えきれない細かなこだわりをぜひお読みください。






マイホームでの暮らしの満足感に大きく影響を与える家具のことを、家づくりと一緒に考えてみませんか?