ブログ

2026.06.22 建築現場日記

【古民家再生】重ねた歳月の重みを支える。職人の手仕事が光る瓦の「擦り合わせ」

進行中の古民家再生プロジェクト。 現場では、建物の命とも言える「屋根」の工事がじっくりと進められています。

長きにわたりこの地で家族を見守り続けてきたこのお住まいは、立派な瓦屋根が印象的な純和風住宅です。今回の再生工事にあたり、その風格ある佇まいをしっかりと次の世代へ受け継ぐため、屋根瓦の葺き替え(ふきかえ)を行っています。

今回は、普段なかなか見ることのできない、瓦職人の「凄ワザ」をレポートします。

1枚ずつ削り、ピタリと合わせる「現物合わせ」の技術

古民家再生の屋根工事は、まっすぐな新しい木材を組み立てる新築の屋根とは一味も二味も違います。

何世代もの時間を重ねてきた建物は、柱や梁が少しずつ馴染んで歪んでいたり、屋根の面に微妙な“ねじれ”やクセが生じていたりするのが自然な姿です。そこに既製品の瓦をただ並べるだけでは、どうしても隙間ができてしまい、雨漏りの原因になってしまいます。

そこで重要になるのが、職人による「擦り合わせ(すりあわせ)」という加工です。

職人さんは、屋根の微妙な傾きや隣り合う瓦同士の重なり具合を計算しながら、瓦の裏面やエッジを工具でミリ単位で削り落としていきます。

まさに、建物に合わせた「オーダーメイド」の現物合わせ。 パチッとパズルがはまるように、隙間なく美しく瓦が収まっていく様子は、見ていて思わずため息が出るほどの職人技です。

見えない手間が、これからの安心を創る

新しくなった外壁の塗り壁や板張りといった華やかな部分に目が生きがちですが、家の寿命を左右するのは、実はこうした「完成すると見えなくなってしまう」職人たちの手仕事です。

手間を惜しまず、幾星霜の歴史を持つ骨組みに瓦をピタリと馴染ませていく。この丁寧なディテールの積み重ねが、台風や大雨からお家を永く守り続ける、確かな安心感へとつながります。

屋根の上で繰り広げられる、新旧の技術のコラボレーション。 一歩ずつ、ですが確実に、これからの豊かな暮らしを支える頑強で美しい住まいが形になってきています。

脈々と受け継がれてきた歴史を次の世代へと受け継ぐ、職人の技と想いが詰まったこのお住まい。

目に見える部分はもちろんのこと、完成すると隠れてしまう屋根や構造にどれだけ手間を惜しまず、誠実に向き合えるか。それこそが、これから何十年と安心して心地よく暮らせる家づくりの土台になると、私たちは信じています。

一歩一歩、理想の住まいへと近づいている古民家再生プロジェクト。 次回も、職人たちのこだわりが詰まった現場の様子をお届けします。どうぞお楽しみに!

メルマガ登録

メルマガ登録

写真を見るだけでは、家の性能を謳うだけでは伝えきれない、そんな私たちの家づくりへのこだわりや想い、また暮らしへの考え方をメルマガを通してお伝えしています。
家づくりや住宅会社選びで役立つ情報はもちろん、代表村木がどんな想いでこれまで家づくりを行って来たのか、そんな家づくりへの想いを、メルマガを通じて発信しています。
登録は無料です。HPでは伝えきれない細かなこだわりをぜひお読みください。

メルマガの登録はこちらから