【古民家再生】見上げる美しさと機能性。杉板の軒天と、街並みに馴染む手作りの杉板戸箱
進行中の古民家再生プロジェクト。
外壁の杉板張りに続き、現場ではディテール(細かい部分)の工事が着々と進み、お家全体の風格がさらに深まってきました。
今回は、お家を引き立て、長持ちさせるために欠かせない外まわりの大工仕事から、「軒天(のきてん)」と「戸箱(とばこ)」のこだわりをご紹介します。

見上げたときの贅沢。杉の無垢板で仕上げる「軒天」
「軒天」とは、外に張り出した屋根の裏側(天井)の部分のことです。普段はあまり意識して見上げることが少ない場所かもしれませんが、実はここをおざなりにしないことこそが、気品ある佇まいを生み出す秘訣です。
今回のプロジェクトでは、この軒天に贅沢にスギの無垢板を採用しました。
大工が1枚ずつ木目を揃えながら丁寧に張り上げた軒天は、下から見上げたときに木の温かみと圧倒的な安心感を与えてくれます。外壁の杉板の横張りとラインが美しくつながることで、建物全体に統一感と、伝統建築ならではの端正な美しさが宿りました。

現代の快適さと伝統美を両立する、大工造作の「杉板戸箱」
窓まわりには、日々の開け閉めがスムーズで断熱・気密性にも優れた最新のサッシと雨戸を採用しています。しかし、そのままではサッシや雨戸を収納する部分がどうしても現代的になりすぎてしまい、古民家全体の雰囲気に馴染まなくなってしまいます。
そこで、雨戸を収納する「戸箱(戸袋)」のまわりを、大工の手仕事によってスギの板で仕立てました。
何世代もの時間を経て少しずつ個性の出ている古い骨組みに対して、手作りの戸箱を隙間なく、かつ美しく取り付けるのは職人の腕の見せ所。大工がミリ単位で現場での微調整を重ねながら、ピタリとおさめていきます。
窓を閉めているときは最新のスペックで快適に過ごせ、雨戸を開けているときは美しい杉板の戸箱が外観の情緒をそっと引き立てる。ここにも、村木建築工房が大切にする「意匠(デザイン)と機能の融合」が生きています。

守り手としての手仕事が、家の寿命を延ばす
軒天の板張りも、手作りの戸箱も、ただ見た目が美しいだけではありません。 豊かな軒裏に木を張ることで湿気をコントロールし、しっかりとした戸箱を設けることで、大切な住まいを次の世代まで永く守り続けることができます。
完成してしまうと、どれだけ大変な調整が行われたかは見えなくなってしまいますが、こうした一画一画に手間を惜しまない誠実さこそが、村木建築工房の誇りです。
一歩一歩、完成へと近づいている古民家再生プロジェクト。 次回はどのような職人技が見られるでしょうか。どうぞお楽しみに!

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