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2026.08.13 建築現場日記

【古民家再生】圧迫感なく目線を遮る。煤竹で仕立てる造作格子の魅力

古民家再生プロジェクトの現場から、今回は造作の細部に光る「大工の工夫と意匠」をご紹介します。

今回スポットを当てるのは、トイレ横の手洗いスペースの壁に設けた「竹格子」です。

格子部分には、古い民家で長年囲炉裏の煙に燻されることで生まれる、独特の深い飴色と風合いが美しい「煤竹(すすたけ)」を採用しました。

一見するとシンプルな装飾に見えますが、ここには限られた空間を快適かつ美しく見せるための、計算された役割があります。

① 圧迫感を抑えながら、程よく「目線」を遮る

手洗いスペースと通路(または隣接する部屋)を完全に壁で仕切ってしまうと、どうしても空間が狭く感じられ、暗くなりがちです。

かといって完全にオープンにしてしまうと、手洗いをしている際やトイレの出入り時に気まずさを感じてしまうことも……。

そこで活躍するのが、この「煤竹の格子」です。

壁の一部をくり抜いて格子を嵌め込むことで、視線を程よく遮る目隠し効果を発揮しつつ、光や風をゆるやかに通してくれます。視線が奥へと抜けるため、廊下側からも手洗い側からも壁特有の圧迫感を感じさせない設計になっています。

② 歳月が紡いだ本物素材「煤竹」ならではの趣き

使用している「煤竹」は、既製品の竹材では決して出せない、一重ごとに異なるグラデーションや燻された深みのある表情を持っています。

  • 歴史の継承: 100年近い時を経て現代に受け継がれた素材だからこそ、新しく刻まれた木枠(桧・杉)や古材の柱とも自然に馴染みます。
  • 陰影の美しさ: 格子の隙間から漏れる光と影が、空間に上品で静けさのある「和」の情緒をもたらします。

③ 素材を活かす「大工の手仕事(現物合わせ)」

太さや曲がりが微妙に異なる自然の竹を、決められた木枠の中に均等かつ美しく納める作業は、大工の手仕事ならではの領域です。

竹の一本一本の表情を見極め、引き立つ向きや間隔を調整しながらミリ単位で仕込んでいく。

こうした細部の納まり(おさまり)に妥協しない姿勢が、住まい全体の上質な空気感を作り出します。

壁をひとつ建てるにしても、ただ平坦な壁にするのか、それとも光や風、素材の質感を感じられる意匠を施すのか。

村木建築工房では、間取りの使い勝手はもちろん、そこに生まれる「居心地のよさ」や「素材の美しさ」を大切にしながら、自社大工の手で一つひとつ形にしています。

「間仕切りは欲しいけれど狭く見せたくない」「せっかくなら素材感のある和のアクセントを取り入れたい」という方は、ぜひこうした格子のアイデアを参考にしてみてくださいね。

次回も、現場のこだわりと職人の技をお届けします!

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