【古民家再生】伝統の「継手・仕口」とは?職人が現物合わせで古材を納める手仕事を紐解く
現在進行中の「古民家再生プロジェクト」の現場でも、いよいよ構造の要となる大工工事が佳境を迎えています。
現場を見学されたお客様からよく「木と木がまるでパズルのようにぴったり組み合わさっていてすごいですね!」とお褒めの言葉をいただきます。
実は、1本ずつ太さも曲がりも異なる古材を、寸分の狂いもなく新しい柱や梁と組み上げていく背景には、日本の伝統技法である「継手(つぎて)」と「仕口(しくち)」、そして大工の「現物合わせ」という高度な手仕事が存在します。
今回は、普段の完成見学会では壁の中に隠れてしまう「職人の技の真骨頂」についてご紹介します。

① 金物に頼り切らない日本の伝統知恵「継手」と「仕口」
木造建築において、木と木を接合する技術には大きく分けて2つの種類があります。
- 継手(つぎて): 木材を「長さ方向(横)」に延長してつなぐ技法
- 仕口(しくち): 柱と梁のように、木材を「T字やL字(角度のある方向)」に交差させてつなぐ技法
現代の一般的な住宅では、プレカット(工場での自動切断)された木材に金属の金物を取り付けて固定するのが主流です。
しかし、何十年・何百年と家を支え続ける伝統建築では、木材自体に複雑な凹凸(アリカケやホゾなど)を刻み、木と木をガッチリと噛み合わせる技術が使われてきました。
木同士が互いに引き合い、粘り強く揺れに耐える構造を作ることで、地震の揺れをエネルギーとして逃がす強固な骨組みが生まれるのです。

② 規格外の古材だからこそ活きる「現物合わせ」の削り
工場で機械が一括カットするプレカットは、まっすぐで均一な寸法に整えられた新しい木材には適しています。
しかし、90年以上の歳月を経て乾燥し、一本一本に独特の曲がりや反り(個性)がある「古材」は、機械のプログラムに入力してカットすることができません。
ここで必要になるのが、大工の手仕事である「現物合わせ(手刻み)」です。
- 見極めと墨付け: 木材のクセや曲がりを指先で感じ取りながら、接合部の線を1ミリの狂いもなく木肌に書き込む(墨付け)。
- 手刻みと微調整: ノミやカンナを使って手作業で削り、何度も現場で木と木を重ね合わせて接合面の当たり(ハマり具合)を確認する。
この気の遠くなるような「ミリ単位の削り合わせ」を繰り返すことで、歪みのある古材でも隙間なくぴたっと納まり、新材と一体化した強靭な構造体に生まれ変わります。

③ なぜ、村木建築工房は「自社大工の手仕事」にこだわるのか?
こうした「継手・仕口」を自在に扱い、古材の現物合わせができる職人は、残念ながら現代の住宅業界では年々少なくなっています。
効率やスピードばかりが優先される時代だからこそ、村木建築工房は「伝統技法を正しく継承した自社大工」を育て続けることにこだわりを持っています。
手仕事の価値: 機械任せでは再現できない、素材の個性を引き出す最高峰の強度と美しさを実現すること。
家づくりの守り手: 構造の仕組みを深く理解した大工が現場をつくるからこそ、お引渡し後も「末永く家を見守り、メンテナンスできる安心感」をお届けできること。
ただ古い家を直すのではなく、先人の知恵である伝統の技と、現代の最新性能(耐震等級3・断熱性能)を融合させる。これこそが、私たちが自信を持ってお届けする古民家再生の姿です。
【見えなくなる場所にこそ、本物の技が宿る】
家が完成してしまうと、壁や天井の裏に隠れてしまう「継手・仕口」の構造美。
しかし、目に見えない構造の骨組みにどれだけ大工が手間と魂を込めたかが、50年後、100年後の家の耐久性と住み心地を大きく左右します。
「昔ながらの頑丈な木組みの家を建てたい」「大切な古材を確かな技術で活かしてほしい」とお考えの方は、ぜひ一度村木建築工房にご相談ください。
職人の手仕事が生み出す本物の温もりと強度を、皆様の住まいへとお届けいたします。
次回も、こだわりの現場の進捗や職人の技をお届けします。どうぞお楽しみに!

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