未来に木の家を残すために、若手大工を育てる
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私たち村木建築工房は、「木の家」をつくる地域工務店です。
この “木の家” という言葉は、単に構造材が木であるということではありません。
自然の恵みを受け取り、人の手で形にし、世代を超えて住み継がれる住まいをつくるという営みそのものが詰まっています。
しかし、あなたはご存じでしょうか。
今、この木の家を支えてきた「大工」という存在が、日本中で大幅に減りつつあります。
工業住宅や、プレカット技術の普及によって、かつて現場で培われていた手刻みや納まりの知恵が、急速に失われているのが現実なのです。
さらに今、現役で仕事をしているのは大多数が50代・60代の大工さん。実は、20〜30代の職人が極端に少ないのです。
これはつまり、あと10〜20年後、高齢の大工さん達が引退した後は、多くの地域で “家を建てられる人” がいなくなってしまうということなのですね。
そうした危機感の中で、私たちは「自分たちの手で次の世代を育てよう」と決意しました。
大工育成は、会社にとっても時間とコストのかかる取り組みです。 けれども、それをしなければ、地域に本物の木の家は残りませんし、これは大工工務店からスタートした村木建築工房だからこそできることの一つ。
「家づくり」を未来へつなぐために、私たちは大工を育てています。
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私たちの育成の基本は「手を動かして学ぶ」こと。
机の上の勉強や動画の研修ではなく、実際の木の香り、工具の重み、現場の空気の中で、一人ひとりが経験を積み重ねていきます。
入社したばかりの若手大工は、まず「掃除」と「道具の管理」から始まります。それは単なる雑用ではありません。
どんな仕事も現場を清め、段取りを整えることから始まる。その基礎を体で覚えるための第一歩です。
そこから、ベテラン大工の横について木を運び、材料を墨付けし、少しずつ道具を使うようになっていきます。
カンナの刃の研ぎ方一つにしても、先輩大工の手の動きを見て、真似し、試し、失敗しながら覚えていく。その繰り返しが、技術を身につける手段です。
そして、ただ技を覚えるだけでなく、お施主様や設計者、現場監督との関わり方も学びます。
「どうすればお客様の暮らしを思い描きながら手を動かせるか」
「どうすれば現場でチームとして動けるか」
その姿勢こそが、職人としての “品格” を育てるのです。
とはいえ、昔ながらの徒弟制度だけでは、現代の働き方には則していません。
私たちは大工育成を「仕組みとして整える」ことにも力を入れています。代表の村木が会長を務める『一般社団法人静岡木の家ネットワーク』では、業界団体として、様々な住宅会社の若手大工を集めた半年間の講習も実施しています。
そこでは、技術段階ごとのカリキュラムを設け、
一年目には、道具の扱いから墨付け、手刻み、安全管理を学んだ上で、力を合わせて棟上げを行います。
また、二年目には大工技能士2級課題である「四方転びの踏み台」の作成、もしくは「周り階段の手刻み」が題材となります。
同じ境遇で建築に携わる仲間と共に腕を磨いていけるのが、このようなカリキュラムの複字的なメリットでもあります。
かつての建築現場では、大工は個人事業主として働くのが一般的でした。
しかし近年、安定した仕事量や社会保険、給与制度を求めて、 職人が安心して長く働ける環境を整える必要が出てきています。
私たちは「社員大工」という形で大工を直接雇用しています。
毎月の給与制にし、労災保険・社会保険・有給休暇等を完備。現場の波に左右されず、生活の安定を守ることができる。その安心感が、仕事の質にもつながります。
「次の家も、この会社で建てたい」
そう思ってもらえる職場であることが、結果として住まい手への信頼にもつながっていくのです。
大工の世界には、言葉では伝えにくい “感覚” の部分が多くあります。
「この木はここで止める」「この角度なら納まる」
長年の経験が生み出す判断は、教科書には書けません。私たちはそれを「見える化」するための仕様書などを作成しています。
たとえば、床下エアコンのダクト納まりや、気密処理の手順、造作の収まりなど、若手がいつでも復習できるようにしています。
また、ベテラン大工の“勘”を言語化する試みも進めています。
「なぜそう判断したのか」を対話の中で掘り下げる。
それを次の世代の教材として残していく。
そうすることで、技だけでなく哲学や価値観まで伝承できると考えています。
私たちの家づくりは、できるだけ地域の木を使うことを大切にしています。
天竜杉や桧など、その土地の気候で育った木を使うことで、家が地域に馴染みます。
若手大工たちは、弊社で随時行われる伐採ツアーにも参加します。森で木を伐り、製材所で加工の流れを学ぶ。
「この梁は自分が伐った木からできている」と実感できる経験は、何よりも大きな誇りになります。
木を知り、森を知り、地域を知る。その循環の中で育つ大工こそが、これからの地域の家づくりを支える存在になるのです。
大工育成は、単なる人材確保ではありません。それは、地域の文化を未来へ手渡す行為だと私たちは考えています。
大工を育てることは、家を建てるよりも時間がかかります。
1人前になるまで10年は必要。だからこそ、10年後に地域に職人が残っているかどうかは、 今、誰が育てるかにかかっています。
私たちはこれからも、 「人を育て、木の家をつくり、まちを守る」工務店であり続けたいと思っています。
ここまで述べてきたように、村木建築工房では若手の育成に力を入れています。
インターンや会社見学など、随時受け付けておりますので、気兼ねなくご相談ください。以下のページのフォームよりお問合せを受け付けています。

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