エコクロスって何? その特徴とおすすめの使い方

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家の内装を仕上げるとき、壁や天井に貼るクロス(壁紙)は、空間の印象を大きく左右する重要な要素です。
しかし、見た目だけでなく、「素材」や「空気環境」まで考えてクロスを選ぶ人は、まだまだ少ないかもしれません。
今回は、自然素材を使った家づくりをする私たち村木建築工房が、家づくりにおいて標準仕様としている「エコクロス」について、その特徴や使い方をわかりやすくご紹介します。
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「エコクロス」とは簡単に言えば、自然素材や再生素材など、環境負荷の少ない材料で作られた壁紙のことを指します。
ビニールクロスのように石油由来の素材を使わず、紙、麻、綿、和紙などの天然素材でできているものが中心です。
エコクロスという名称自体は実は明確な定義があるわけではありませんが、以下のような観点で「エコ」とされるものがそのように呼ばれます。
・素材が自然由来である(麻、綿、和紙など)
・化学物質の使用を極力抑えている
・生産時や廃棄時の環境負荷が小さい
・調湿性や通気性が高く、室内環境を快適に保つ
つまり、見た目や手触りだけでなく、住む人の健康と、環境へのやさしさの両立を目指したエコフレンドリーな壁紙が「エコクロス」ということですね。
エコクロスの中でも代表的なのは、例えば以下のようなもの。
日本の伝統素材「和紙」を使ったクロスです。優しい風合いと自然なムラ感が特徴で、光が当たった時の質感も美しいですよ。
麻を原料にした織物壁紙というものです。織り目が美しく、ナチュラルな質感ですが、見た目がすっきりしていて高級感もあります。
綿を原料にした柔らかな素材感が特徴。身体に触れても優しい素材なので、小さなお子様がいるご家庭にもおすすめです。
古紙を再利用したクロスもエコクロスのひとつです。サステナビリティ(持続可能性)も、これからの社会に必要な要素です。
エコクロスの一番の魅力は、その素材としての特性。自然素材で高性能な家づくりとの相性がよく、私たち村木建築工房でもエコクロスを標準仕様にしています。
そのメリットは、大きく分けて以下の三つ。
一般的なビニールクロスには、製造時に可塑剤(柔らかくするための化学物質)や防カビ剤が使われており、それが室内空気中に少しずつ揮発していきます。かつては、これがシックハウス症候群の一因となって社会問題にもなりました。
エコクロスは、こうした化学物質の使用が最小限に抑えられているため、ケミカルアレルギーなど化学物質に敏感な方でも安心して使えます。
一般的なビニールクロスは、その名の通りビニールのように薄い膜を生じているものが多いです。良くも悪くも、湿気を通しづらい素材です。
一方で、主に天然素材からつくられるエコクロスは、その素材の性質上、透湿性が高いものがほとんど。湿度コントロールをする上で、湿気の通しやすさが重要になる場合もあるのです。
和紙や麻などの天然素材は、時間とともに少しずつ色味や風合いが変わります。これは「劣化」ではなく「味わい」。
自然素材の無垢材が時間とともに深みを増すように、壁も住まい手の暮らしと共に育っていくものなのです。
実際には、「エコクロスを使ってみたいけど、どう使ったらいいか分からない…」という方もいらっしゃるかもしれません。
では、どのような場所に使うとエコクロスの魅力がより引き立つのでしょうか? おすすめの使い方をいくつかご紹介します。
部屋全体ではなく、1面だけを和紙クロスや麻クロスにすることで、空間に柔らかさと奥行きが生まれます。自然素材の家具や無垢材の床とも相性がいいものです。
長時間、無防備な状態で過ごす寝室も、自然素材のエコクロスがおすすめ。また、お子さまの健康に配慮したい場合は子ども部屋に施工するのもよいでしょう。
面積が小さい分、色々な意味でチャレンジしやすい場所です。高価なものを使ってみたり、デザインで冒険してみたりするのも楽しいと思いますよ。
村木建築工房がつくる木の家は、柱も梁も床も、国産の無垢材を使っています。そのような住まいでは、壁や天井にも天然の素材を選びたいもの。
エコクロスは、見た目のナチュラルさや心地よさはもちろん、住む人の健康や空気環境、さらには環境への配慮まで考えられた建材です。
健やかで、持続可能な住まいと暮らしの実現。そのための選択肢として、ぜひエコクロスを検討してみてください。
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