漆喰って何? その特徴と使う場合の注意点

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村木建築工房の標準的な仕様のひとつ「漆喰」。
自然由来の素材で、様々なメリットがあるものですが、具体的に何からできていて、どのような特徴を持っているのか、をきちんと理解している人は少ないのではないでしょうか。
ここでは、「漆喰」の特徴やおすすめの使い方、使用時の注意点を詳しくお伝えしていきます。
「漆喰ってなんだか体に良さそう」
「でも、お手入れが大変じゃない?」
「新築にも合う素材なの?」
こういった疑問や声にお応えしながら、漆喰の魅力と、実際の住まいへの取り入れ方をご提案したいと思います。
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そもそも、漆喰とはなんでしょう? 「自然素材」ということはなんとなく分かっていても、その原料や、どうやってできているか、を知っている方はあまりいません。
漆喰は、各地の鉱山で取れる「石灰石」を焼いて、水を加えて作る「消石灰(しょうせっかい)」を主成分とした自然素材の塗り壁材。スサ(藁や麻の繊維)や糊を加えて、建材として使用されてきました。
日本では寺社仏閣や、城砦、土蔵、古民家など1300年以上もの昔から使われてきた、長い歴史を持つ素材です。
最近では、「自然素材」「調湿性」などのキーワードで見直され、現代の住まいにも多く取り入れられるようになっています。
漆喰の主原料となる石灰石は、気孔が多く、吸水性・通気性に優れた素材です。
建築材料として室内に使われれば、湿気の吸放出を行い、室内の湿度コントロールを助けてくれます。
もちろん、前提となるのは夏の除湿や冬の加湿ですが、まるで壁が呼吸しているかのように、自然と空気を整えてくれるのが魅力です。
結露の防止やカビの抑制にもつながり、家の健康にも、住む人の健康にも良い影響を与えてくれますよ。
一般的なクロスや化学系塗料には、接着剤や樹脂などが使われていることが多く、揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれる有害物質が空気中に放出されることも。
人体への影響も近年はほとんどありませんが、漆喰のように自然由来の素材であれば、そもそもそんな心配も無用です。。
さらに、漆喰はアルカリ性で抗菌性が高く、ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着・分解する働きもあるとされています。小さなお子さんやペットと暮らすご家庭、アレルギー体質の方にもおすすめです。
漆喰は時間が経つほどに、色味や質感に深みが出てきます。
昔から使われてきた自然由来の素材はどれもそうですが、工業製品にはない、本物ならではの「味わい」があります。住まいと一緒に「年を重ねる」ことができる材料なんですよね。
「ピカピカに保つ」のではなく、「ゆったりと育てる」という感覚は、木の家とも、とても相性が良いのです。
「漆喰って、汚れたらどうするの?」と心配される方も多いのですが、実は意外と簡単に補修できます。
汚れた箇所を軽くヤスリがけして、新しい漆喰を部分的に塗るだけで大丈夫。部分補修しても馴染みやすく、「手をかけて育てる家」にはぴったりです。
日本で長く使われてきたのは、この通り「お手入れが簡単だから」ということもあるはず。現代に残っている建築素材は、ちゃんと理由があって残っているんですね。
また、静電気を帯びにくいため、ホコリもつきにくく、日々の掃除もラクになりますよ。
漆喰は燃えない素材であるため、防火性能にも優れています。
かつて火事から家を守るために土蔵に漆喰が使われたのも納得です。現代の住まいにおいても、火災に対する備えとして注目されています。
調湿性や空気の清浄性といった漆喰のメリットを活かすなら、家族が長く過ごすリビングや寝室への使用がおすすめです。
特に、睡眠の質を高めたい寝室では、漆喰の空気環境づくりが効果を発揮します。
漆喰の質感は、木や畳との相性も抜群です。
和室や玄関ホールに使うと、シンプルで上質な「和の趣」を演出してくれます。来客が最初に触れる空間に使うことで、空間の印象もグッと格上げされます。
「水まわりに漆喰って大丈夫?」と思われるかもしれませんが、適切な施工をすれば問題ありません。湿気がこもりやすいキッチンやトイレこそ、漆喰の調湿性・防カビ性が活かせます。水ハネの多い場所には、撥水加工された製品や腰壁の工夫を取り入れましょう。
優れた素材である漆喰ですが、当然、デメリットや注意点もあります。
左官職人さんの腕次第で仕上がりが大きく変わったり、ひび割れや欠けが起きる場合があったり。色の選択肢がやや少ないのも、お客様にとっては残念なポイントかもしれません。
漆喰に関わらず、自然素材は得てして「思うようにならない」ことがあるもの。それらの特徴もひっくるめて、その素材感を楽しんでほしいと思います。
漆喰は、単なる仕上げ材ではありません。空気を整え、湿度を調整し、年月とともに美しく育つ「呼吸する壁」です。
壁材に限らず、現代には様々な建材がありますが、「あえて漆喰を選ぶ」というのも、いいチョイスです。
「せっかく家を建てるなら、自然素材にこだわりたい」
「本物の素材で、心地よい空間をつくりたい」
そんな想いをお持ちの方は、ぜひ一度、漆喰のある空間を体感してみてください。私たちのショールームでもご覧いただけますので、興味のある方はお気軽にお問合せください。
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